ブツブツ呟くゾウ

高みの見物のつもりでご覧ください。

太宰治『人間失格』感想、書評、批評

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流石に文章は描写一つ一つが鳥肌モノであり、太宰しか感じれないような恐怖や思想をまるで自分のことのように感じた。圧巻。

 

しかし物語に対しての感想は少し異なる。

 

僕はこの物語の中に、大庭葉蔵という1人の可哀想な男を見た。

 

ただ、それ以上でもそれ以下でもなく、僕の心は鉛のようであり、微塵も動かない。

 

どうやら僕は今現在、他人の人生に興味を持てないらしいのである。

 

なぜなら今僕はそんなものに一喜一憂している場合ではなく、また、そんな余裕もないのだが、詳しい話はここで語る事では無い。

 

とにかく、今は太宰が感じた人間や社会の恐怖、滑稽さをいくら浮き彫りにされても、響かない。

 

むしろ、太宰のような、達観していて、それに対して絶望している自分に幸福を感じるような考え方は嫌いだ。

 

よく居酒屋などでサラリーマン風な大人たちが集まり、上司や部下、仕事への愚痴、解決しようと行動する気のない悩みなどをぶちまけているのを見るが、ぶっちゃけそれと似ているんじゃないかな(笑)

 

社会や人間関係に絶望するのは構わないが、何かに気づいてしまった人間が自殺してしまうのは逃げであるし、何かを表現するには手っ取り早すぎる。

 

結局は只、頭の良さが故に誰もが感じる違和感に大きく反応し、反応している事自体に酔い、1番手っ取り早い自殺を選んだだけの事だ。

 

(尚、彼が精神的な障害を持っていたとかいう主張はなおさら議論をつまらなくしてしまう)

 

彼の生涯を見て、そう感じてしまうのは僕だけだろうか。

 

 

 

 

 

又吉直樹『火花』書評、感想、批評

人による

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「この作品を面白いと思うかどうかは人による」

 

読み終えた後、自分でも辟易するような拙い結論を僕はこの本に与え、そっと本棚の1番奥に差し込んだ。

 

本書にはいわゆる「芸人論」が多く語られている。

 

情景描写が丁寧で、心情の変化がまじまじと伝わってきて流石に芥川賞受賞作は違うなと感じられた。

 

作者には悪いが、この本の中身ついての感想はここで終わることにする(笑)

 

僕にとって、この本は物語よりも大切な意味を持ってしまったのである。

 

冒頭でも述べた通り、今の僕は芥川賞受賞作という約束された傑作に対しこのような感想しか出す事が出来ないのだ。

 

「革命のファンファーレ」や「熱帯」などの書評記事では、書いている僕自身が燃えていた。

 

本についての思考を巡らせるのが楽しくて仕方がなかった。読み終えた後も、その本のことばかり考えていた。

 

しかし今回はそれがなかった。

 

正直僕は、又吉直樹の芸人論には興味がない。読み終えた段階で次に読む本のことばかり考えていた。

 

僕自身が全くこの物語に対して燃えていないのだ。

 

僕の特技は「何にでも興味を持つ事」だと思っていたが、案外そうでも無かったようだ。

 

こうなってくると僕の人生の軸がぶれてしまう。

 

自分は興味を持つものと持たないものの差が異常なまでにはっきりしている事が判明した。

 

これから僕は、自分の好奇心をくすぐるものがどのジャンルに属しているのかを探る、模索の旅に出るのである。

 

 

 

、、、ここまでの書評を自分で読み返し、いかに「火花」に興味をそそられなかったかを語っていながら、地球上のほぼ全ての人が興味がないであろう僕の心情の変化という自分で聞いて吐き気のするようなトピックについて書いている自分に呆れた。許して下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森見登美彦『熱帯』感想、批評、書評

読んだことを若干後悔するかもしれない。

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僕にとって森見登美彦の小説といえばあのクセの強い文章と個性豊かな登場人物たちである。

 

当然今作もそれを期待していたのだが、意外にも文章はキレイな文体で、登場人物たちも皆賢さが伺えるような言動をであり、いわゆる「森見っぽさは」皆無であった。

 

ただ、やたらと伏線を張りながら進む物語は健在であり、「四畳半王国見聞録」のように物語がマトリョーシカ的に構成されており、そこにはしっかりと森見感が感じられた。それでもうんざりせずに読めたのは彼が魅力のある人物を描く天才である証明かもしれない。他の作品に比べるとやや無個性ながらも、その存在感は僕の頭にしっかり焼き付いている。

 

さて、僕が何故この『熱帯』を読んで後悔しているかと言うと、どうやら僕はこの物語に取り憑かれてしまったらしいのである。

 

この小説を読んでいる間、僕の感情の浮き沈みはとても激しく、時にワクワクし、時に苛立ち、異常なまでにこの物語に夢中になったいた。

 

さらに言えば、正直言ってこの物語の結末は容易に納得できるものではなく、大きな謎が残る(いくらでも解釈のしようはあるが)。ただでさえ長いこの物語に結構な時間を費やし忘却と出会いを繰り返していた僕の頭には『熱帯』が住み着いて離れない。日常に熱帯が潜むようになるのである。

 

つまりは筆者の「創造の魔力」に呪われてしまったのだ。

 

このモヤモヤを解消するには「沈黙の読書会」にでも参加して謎を語り合うしかないのだろうか。

 

(否、そんなことしたら謎が謎を読んでしまう)

 

見渡す限り謎ばかり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箕輪厚介『死ぬ事以外かすり傷』感想、書評、批評

頭のネジなんか捨てろ。

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僕は今とてもワクワクしている。この箕輪厚介という男が成功してしまっている事実に。

 

どうやら彼は生まれた時に頭のネジを全部捨ててしまったらしく、思考と行動が直接結びついている。

 

『ネオヒルズジャパン』という雑誌が創刊されると同時に責任編集者である与沢翼氏が逮捕された際、回収騒ぎになるのを恐れた彼は、とっさの言い訳として「これはプロモーションです」と上司に言い放ったらしい。

 

常人ならこんなバレバレな嘘は思いついた段階で色々なことが頭をよぎり選択肢から消し去る。が、彼はそんな余計なことを考える前に口が動いてしまう。

 

「ごちゃごちゃ考える前に行動」

 

逆に言えば彼の目新しい部分はここだけである。他に書いてある成功秘話などは全部彼が編集した本に書いてある事の焼き増しのようなものだ。

 

見た目だってさながらヘキトラハウスのへきほーのようであり、どこにでもいそうな好青年。

 

しかし彼は編集者として堀江貴文や落合陽一のような人物たちと本気で向き合い、憑依レベルで吸収してきた事で、彼らのメソッドを抽出してきた。

 

ここで我々は1つの結論を得た。

 

堀江氏や落合氏などが言っている事を憑依レベルで吸収し、行動力にパラメータを全振りすれば彼らと同じステージに立つことができるのだ。

 

箕輪厚介のような男が成功してしまったことで、リスクを顧みない行動が正義というような認識が生まれる。

 

「上司に許可を求めながら成功した人物はいない」と本書で紹介されていたように、信念のために平気で危険を冒す者が増えてくる。

 

この本が売れれば売れるほど、日本は面白くなる。

 

 

 

おわり

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西野亮廣『革命のファンファーレ』感想、書評、批評

西野亮廣を批判する事は時代遅れだ。

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彼の行動を批判する者は後を絶たない。彼にとっては考え抜かれた戦略であっても、その一切には批判が付きまとい、芸人としては深刻なほど嫌われている。

 

革新的なアイデアはいつも世間からすると「変」に見えたり彼らの常識から外れてしまうものらしく、思慮の浅い者やアンテナを張っていない者には理解し難いのだ。

 

しかし本書によれば、彼の戦略はいつも何重にも積み重なった意図の数々が絡まっている。

 

そしてそれはことごとく大成功を収めているではないか。

 

一説によると彼はオセロに負けた事がないらしく、見かけによらず算数も大得意らしい。

 

そんな天才軍師が考え抜いたオセロの一手を平民たちが感覚だけでひっくり返していく。

 

しかし本書によれば、彼はそんな平民達をも自らの広告戦略に巻き込んでしまうと言うのである。

 

的外れな批判を自ら拡散(リツイート)し、話題を大きくする。当然批判もさらに大きくなるが、まもなく戦は大勝利に終わり、頭ごなしに批判していた者達は閉口せざるを得なくなり、膨れ上がった批判は「西野は正しかった」と、彼の信用が上がるきっかけとして利用されるのである。

 

天才軍師である西野氏は、オセロの角を確実に抑えておきながら平民達に真ん中を取らせ、最後に全てひっくり返すのだ。

 

しかしながら、何年か前の大河ドラマ軍師官兵衛」の大ファンであった私は天才軍師黒田官兵衛がやがて老い、関ヶ原の戦局を読む事が出来ずに天下を逃した事を知っている。

 

西野氏も現在齢38。立派なおっさんであり、いつ官兵衛のようになってしまうか分からない。

 

だがここは現代の天才軍師西野亮廣。この長寿化、少子高齢化による自身への影響を考えていないわけは無かった。

 

本書によればお年寄りは「許され力」を兼ね備えており、例えば店主として働く80歳のお爺ちゃんのミスやもたつきポンコツ加減を、我々若者は間もなく許すのである。これがもし3、40代の脂の乗った男性店主であればクレームを入れられる。これが歳をとっただけで、むしろ「手伝いましょうか」になるのだ。

 

このように本書はありとあらゆることに目を配って現代の時代背景に合わせた戦略、広告について語られている。

 

その一つ一つが鳥肌モノであり、自分が宣伝したい物が出来た時はもう一度本書を読み返しそれに合わせた戦略を練れるほど西野氏自身が使った戦略が複雑怪奇に張り巡らされているのだ。

 

買わない手はない。

 

 

 

おわり

 

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西野亮廣『新世界』感想、批評、書評

この人は多分自分史上1番面白い

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この人は世の中をどんどん自身が生きやすいように変えている。

 

こんな人は見たことない。

 

本書の中で著者は「預言者が未来を言い当てるのではなく、未来予想を見て面白がった若い世代がそれを実現させる」という主張をしていたけれど、それで言うと彼は預言者に値するのでは...?

 

彼の未来予想を読者が実現させる。そうに違いない。

 

実際、彼は本書でしきりに「こういう時代が来る」という主張をしていて、しかもそれは相当面白い。ぜひ実現したい。

 

その輪の中に、僕も居られればいいな。というか、居なきゃヤバい。

 

それほど、彼の勢いはすごい。先日の「リベンジ成人式」だって大成功していたけれど、その時に確かレターポットの宣伝もしてたから、ものすごいスピードであれだけ大きな事を同時に進めていて、しかもそれら同士を掛け合わせてもっと大きくして、、、

 

そりゃ若者からの支持も凄いわけだ。

 

もう誰も彼の勢いを止められないし、この時代の変遷は止まらないし、どんどん加速していく。

 

「乗り遅れないで、一緒に行こう」

 

幸い彼はそう言ってくれる。優しい人だなあ

 

まだ間に合う。みんなも。 ね。

 

おわり

 

 

 

 

 

 

前田裕二『メモの魔力』感想、批評、書評

僕にとってメモとは、生き方そのものです。メモによって世界を知り、アイデアが生まれる。メモによって自分を知り、人生のコンパスを持つ。メモによって夢を持ち、熱が生まれる。その熱は確実に自らを動かし、人を動かし、そして人生を、世界を大きく動かします。誰にでもできるけど、誰もまだ、その魔力に気付いていない「本当のメモの世界」へ、ようこそ。

 

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僕は凡人だ。どうしようもないくらいに。

 

幼稚園の頃から何をやっても突き抜けない。至って平凡。そして、自分の人生を悲観する。そこもまた凡人。

 

そんな僕の心の拠り所は「youtube」。何も考えずに他人の作ったコンテンツをただ消費する。

 

お気に入りは「水溜りボンド」だった。彼らの動画は良かった。視聴者との距離感の近さと、結果が気になってどうしようもない企画。まるで友達と一緒にバカやってるみたいに錯覚する。

 

しかし彼らは僕にとって決してやってはいけないことをやってしまった。

 

彼らは自らのファンの事を「ボン人」と呼びはじめたのだ。

 

嗚呼なんて事を、、、

 

心の拠り所にさえ凡人認定されてしまったのである。

 

そんな僕を知ってか知らずか、天才達がどんどんyoutubeに参入してきた。ヒカル、ラファエル、カジサック、毎日キングコング、etc...

 

正しくは、彼らはもともとyoutube界に君臨していたのだが、この日を境に彼らは僕のyoutube市場に土足で踏み入って来たのだ。

 

見渡す限り、天才ばかり。

 

もうこうなったら天才達と上手に付き合っていくしかないんだな。

 

そんな想いが僕に芽生え始めた頃、この本に出会った。

 

この本の著者は天才である。

 

僕のやる気を引き出す天才である。また、天才を作る天才かもしれない。

 

この本で筆者が伝えてくる事は、メモのノウハウは勿論のこと、他にも

 

「最初はみんな凡人さ」と優しく語りかけてくるような気がした。しかも根拠を交えて。

 

こんなに凡人に優しい本はない。

 

さあ、この記事を見ているあなた。さては凡人でしょう。

 

こんなところで時間を浪費している暇があったら、さっさと近所の書店に行って、この本を買いなさい。

 

さすれば、如何にして天才と渡り合うか、その武器を授けて貰えるだろう。

 

 

 

 

おわり

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