底辺大学生のブツブツ

底辺大学生でも生きています。高みの見物のつもりでご覧ください。

ママチャリ歴5年VSロードバイク(中学生)

先ほど。いつものように自慢のママチャリで気持ちよく周りをごぼう抜きしていると、背後に圧倒的大物の気配。

 

正体は誕生日にママに買ってもらったか、金持ちで何でも買ってもらえる家庭に生まれたであろう中学生ほどの背丈でロードバイクに跨がった子供だった。

 

ロードバイクとは言え中学生。抜かれれば僕のママチャリ歴に傷が付く。大学に入っても原付の免許をとらないのは周りで僕くらいだ。

 

かつてはママチャリに跨がればあいつの右に出る者ははないと、中・高のママチャリ社会では猛威を奮っていたが、年齢の上昇と校則での縛りがなくなった事により周りは次々と免許を取得。

 

いつの時代も、その世界でトップを走り続けていた者は新たな時代に取り残されると言うのは世の常なのかもしれない。

 

そんな僕の前に現れた強敵。

 

負ければ僕の誇りは全て崩れる。

かつて、開国したとたん権威を失った武士たちのようにはなりたく無い。

 

何としてもこの勝負、勝たねば。

 

 

しかし。

 

いつしか原付に移行する機会を失った僕は、この勝負に負ける事を心のどこかで望んでいたのかもしれない。

 

ここで敗北すれば、潔く原付に跨る決心ができるのでは無いかと考えていたのだ。

 

心に一瞬のスキができた僕に、もう勝機は無かった。

 

ロードレーサー特有の「こんなにゆっくり漕いでもお前より速いよ」と言わんばかりの様子で僕を軽々と抜き去っていく。

 

僕は負けた。

 

しかし心は何て晴れやかだったろう。

 

 

 

 

「夏休み免許センター行くからお金ください」

 

母親にメールを送った。

 

青空の中、爽やかな風が僕のママチャリを吹き抜けた。

 

夏が近い。

 

 

 

 

 

おわり