吉田のブツブツ

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「夜は短し歩けよ乙女」感想、批評、評価

評価:★★★★★

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https://www.amazon.co.jp/夜は短し歩けよ乙女-角川文庫-森見-登美彦/dp/4043878028

この本との出会いは突然でした。TSUTAYAへと向かった僕の当初の目的は朝井リョウさんの「スペードの3」を買うことでした。しかし帰り道、手に持っていたのはこの本でした。それだけこの本には表紙にもタイトルにも、あらすじにも魅力があったのだと思います。

 

勢いに任せ買ってしまっただけに、家に帰るともうその熱は冷めかけていて、何故自分は朝井リョウの本を持って帰らなかったのかと言う後悔と疑問の念で頭がいっぱいでした。

 

しかし余熱でかろうじて最初のページをめくると、そこには回りくどくてめんどくさい言葉がつらつらと並べられていました。筆者は自分の言葉遣いに酔いしれてしまっているなと鼻で笑ってしまった事を覚えています。

 

しかし、気付けば読み始めてから3時間経っていました。僕が3時間一度も時計を見ずに集中していたことなど、受験勉強の時でさえ滅多にあったことではありません。完全に引き込まれてしまいました。

 

登場人物の特徴をつかんで行くうちに、次第にその言葉遣いにもピンとくるようになり面白く感じました。

 

物語の展開としては、基本何でもありのストーリーが伏線を絡ませながら2人の視点から描かれている。と言った感じです。

 

何でもありの小説なのに変に(いい意味で)リアリティがあって、様々に巡らされた伏線が回収されていく様は気持ちが良かったし、なにより登場人物で普通の人なんて1人もいなくて、現実世界だったらあの中の1人でも居るだけで浮きまくりです。

 

僕の気持ちとしては、主人公の1人とも目される男が黒髪の乙女をGET出来ずに落ちぶれていく事を望んでいた部分がありますが、それは今の僕に余裕がないからでしょう(笑)

 

 

......

 

 

僕はこの小説に感化され初めて1人で飲食店に入るという行動を起こしました。1人でズンズン進み、周囲を巻き込んでその場の主人公になってゆく黒髪の乙女の姿に影響されたのだと思います。

 

しかし、当然僕は主人公になり得る魅力もカリスマ性も兼ね備えていないので、普通に頼んだものを食って帰りに会計で財布から小銭をぶちまけると言う迷惑行為を遂げ、恥ずかしくて逃げるように家に帰ったのでした。

 

僕にも黒髪の乙女のような魅力が欲しいと思った夜でした。

 

 

おわり