ブツブツ呟くゾウ

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太宰治『人間失格』感想、書評、批評

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流石に文章は描写一つ一つが鳥肌モノであり、太宰しか感じれないような恐怖や思想をまるで自分のことのように感じた。圧巻。

 

しかし物語に対しての感想は少し異なる。

 

僕はこの物語の中に、大庭葉蔵という1人の可哀想な男を見た。

 

ただ、それ以上でもそれ以下でもなく、僕の心は鉛のようであり、微塵も動かない。

 

どうやら僕は今現在、他人の人生に興味を持てないらしいのである。

 

なぜなら今僕はそんなものに一喜一憂している場合ではなく、また、そんな余裕もないのだが、詳しい話はここで語る事では無い。

 

とにかく、今は太宰が感じた人間や社会の恐怖、滑稽さをいくら浮き彫りにされても、響かない。

 

むしろ、太宰のような、達観していて、それに対して絶望している自分に幸福を感じるような考え方は嫌いだ。

 

よく居酒屋などでサラリーマン風な大人たちが集まり、上司や部下、仕事への愚痴、解決しようと行動する気のない悩みなどをぶちまけているのを見るが、ぶっちゃけそれと似ているんじゃないかな(笑)

 

社会や人間関係に絶望するのは構わないが、何かに気づいてしまった人間が自殺してしまうのは逃げであるし、何かを表現するには手っ取り早すぎる。

 

結局は只、頭の良さが故に誰もが感じる違和感に大きく反応し、反応している事自体に酔い、1番手っ取り早い自殺を選んだだけの事だ。

 

(尚、彼が精神的な障害を持っていたとかいう主張はなおさら議論をつまらなくしてしまう)

 

彼の生涯を見て、そう感じてしまうのは僕だけだろうか。